電話線の決闘

4月7日
売上 4,670K円(+0K, 9.6%)
粗利 1,108K円(+0K, 9.4%)
台数 5台(+0, 16.6%)
増減ありません。見込みの高い案件が創出できてません。。。

御社のお役立ちに・・・!

「・・・それは総務部に面談いただけるといいのですが。」

電話の奥で、女性の統括部長は言った。言葉尻からすると、明らかに私を嫌煙している。

私の担当しているお客様で、一二を争う規模の企業だ。
残念ながら、弊社製品は5年ほど前に解約されており、東京に1台だけ利用いただいている。
3月に飛び込みで名刺交換をした相手が統括部長であった。新年度になり、改めて挨拶のアポイントを取っている。

“弊社は、今までの出力機ビジネス以外の分野でもお力になれると思っております。”

何とか机に座って話をしたい。その思いを伝える。

「例えば?」

・・・来た。事前にお客様の業界のことは調べていたため、具体的な事例も上げて説明をする。

「・・・今忙しいのよね・・・来週なら・・・」

何とかして、アポイントにこぎつけることができた。

正味2分程度の電話であったが、かなり神経を使った。

アポイントを取るのは、電話線上に繰り広げられる決闘である。
相手に「私と面談する価値」を感じてもらうために、お客様を調べて、うなずいて、時には沈黙する。

もちろん、会うことがゴールではない。取引のないお客様と案件を創出すること、受注することがゴールなのだ。
面談まで時間はある。もう少し作戦を練らなくてはならない。

トップと現場

「いいですよ。ぜひ提案してください。」

土木工事業の役員と面談する。
弊社のソフトウェアを用いた、ペーパレスファクスの提案に快く乗ってくれた。
毎日、かなりのボリュームのファクスを紙だしで運用されているお客様だ。他社製品もたくさんあるため、シェアを奪うチャンスでもあった。

「下フロアの現場担当者にも話して、内容を詰めて頂いていいですよ。」

私は足取り軽く、階段を下りていく。

「あ~こないだはありがとうね~」
40歳程度の女性が声をかけてきた。
以前、PCの不具合の相談を頂き、無事に解消できたことがあったのだ。

役員との話をし、ペーパレスファクスの提案をしたいことを伝える。

「ん~。(弊社の)ソフトを使わなくても、ペーパレスはできるからね~」
愛想がよく前向きな方だが、案件となると「提案の価値」を見定める厳しい人になる。

「しかも、他の部署はペーパレスになじみがないから、うまく根付かないと思うよ・・・」
やんわりと断られる。
無理に提案をしようとすると関係性も壊れる。今は我慢の時か・・・

「ただ、請求書の金額を確認する業務はペーパレスにしたいと考えてるねん・・・」

話を聞くと、ファクスの受注を行ったあと、請求書をお客様に送る際、金額チェックを営業にする際に紙出力で確認をしているとのこと。

「その部分は、ペーパレスになった時のイメージができてないねん・・・」

その業務フローについては、別途詳細を教えてほしいとお伝えし、了承をもらうことができた。
お客様のお困りごとは別にあった。ペーパレスファクスではなかった。

役員層に合うのは大事だ。しかし、現場で起こっていることも知らなくてはならない。
どちらにも顔を出して、コンタクトをとる。これが営業なのだろう。

お客様先を出ると、
突然、織田裕二が声をかけてきた。

事件は会議室で起きてるんじゃない 現場で起きてるんだ

踊る大捜査線

1 thought on “電話線の決闘”

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Related Post

初日は気が緩む初日は気が緩む

4月1日売上 1,904K円(+0, 4.7%)粗利 544K円(+0, 4.6%)台数 3台(+0, 10.0%) ※今期(4月~9月)の見込み数値を記載しております。※カッコ内は前日比、ノルマ数字との割合です。※ノル […]